2024年末時点の出入国在留管理庁のまとめによれば、65歳以上の在留外国人は全国で23万人に達しています。2014年末の14万人から10年で5割増えています。このうち多数を占める韓国・朝鮮籍の在日コリアンを除くと、2014年末の3.2万人から9.5万人と3倍近く増加し、多国籍化が進んでいます。1980~90年代に来日した在留外国人が高齢期を迎えています。しかし保険料を納めているのに、言葉や習慣の違いから介護サービスを利用できないケースもあります。
日本に3カ月以上滞在する在留外国人は、原則として40歳以上になると介護保険料の納付が義務付けられると同時に、介護保険サービスを受ける権利も得られます。しかし、利用には外国人特有の壁があります。日本で長く暮らし保険料も納めていても、外国人コミュニティーの中で生活しているため、母国語しか話せなかったり、一度覚えた日本語を忘れてしまったりする高齢の在留外国人は少なくありません。
入管庁は、2024年度から国や自治体の外国人相談窓口で働く人を対象に、生活上で困り事を抱える外国人への助言や適切な支援窓口につなぐための研修を開始しています。高齢者福祉に関する相談も想定し、当事者へのヒアリングや他機関との連携ノウハウの習得を目指しています。外国人の介護予防に取り組む草の根の活動もあります。定住外国人に対しては、高齢期を迎える前の段階から福祉サービスの把握や老後の資金を意識するよう啓発する取り組みが必要です。

(2026年4月8日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





