胃や大腸など消化器のがんは患者が多い一方、過酷な勤務環境を受け医師が不足しています。厚生労働省は、現状のままだとがん治療を担う外科医は2040年に9,200人と足元から39%減り、需要を5,200人下回るとしています。そのため、高度ながん治療を手掛ける病院の集約を進ます。全国どこでもがん治療を受けられるよう施設整備を促してきた従来の方針から転換し、施設あたりの医師数や手術件数を増やして質を高めます。
とりわけ消化器外科は、配置を適正化するのが望ましい領域と位置づけています。食道がんや膵臓がんなどの手術は、県内で中心的な役割を担う拠点病院や大学病院などに集約する方向性を示しています。十二指腸がんなどの希少ながんの手術は、県域をまたいだ集約も念頭に置きます。胃がんや大腸がんなどで標準的な手術をするケースは地域の病院が担うとしています。
国内の医師数は2024年に34万7,772人と過去最多となりました。この10年で12%増えていますが、一般外科医と消化器外科医は1.8万人と、同じ期間に12%減少しています。とりわけ40歳未満の若手医師の減り幅が大きくなっています。労働時間が長くワークライフバランスの確保が難しい、給与が勤務量に見合わないとった事情が背景にあります。日本消化器外科学会によれば、所属する消化器外科医は60代が最も多く、診療の核となる65歳未満の医師は減少が見込まれています。

(2026年4月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





