国内企業の99.7%を占める中小企業で、若手社員のケアが課題になってきています。特にこころの不調は10年で3倍に増え、きっかけは家庭の悩みなど多様化しています。大企業に比べて周囲の目が届きやすいものの、支援体制の整備は遅れています。雇用環境も変化しており、体調が万全でなくても働き続けられる職場作りが企業に求められています。

厚生労働省の調査によれば、こころの不調が原因で退職したり、1カ月以上休んだりした社員がいる事業所の割合は、社員50~99人の企業は19.7%で、2013年の9.5%から倍増しています。社員5,000人以上の20.4%に迫る勢いで増加しています。精神的な理由で休職中に傷病手当金を受け取った件数は、若い世代で増加が目立っており、25~34歳は過去10年間で3倍に増えています。

仕事でうつ病などの精神障害になり、労災認定に至る件数は増えています。精神障害者の雇用もこの5年で倍増しています。国が民間企業に義務付ける障害者の法定雇用率は、現行の2.5%から7月に2.7%に引き上がります。体調の波でフルタイム勤務が難しい人も、柔軟に働ける環境がより大切になってきます。病気になっても働き続けられる環境をつくることも、これからの企業の大切な役割です。

(2026年6月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





