私大の資産運用の促進

 文部科学省は、7月に全国の私立大学に積極的な資産運用を促す通知を出しました。2008年の金融危機であったリーマン・ショックを受け、2009年に慎重な運用を求める通知を出しましたが、17年ぶりに方針を事実上転換しました。インフレによる資産の目減りや、少子化で私大収入の8割を占める学生納付金の大幅減が見込まれためです。

 米ハーバード大学は8.8兆円(569億ドル)、イエール大学は6.8兆円(441億ドル)の基金を運用しています。ハーバード大学は運営費の4割を運用益で賄っています。一方で、日本の私大は運用に消極的です。リーマン・ショックでは、元本保証のない金融商品を保有する私大で多額の損失が相次ぎました。文部科学省によれば、全国の私大の運用対象資産は2024年度決算で計10兆円あり、8割を預金と債券が占めています。2040年の大学進学者数は今より3割減り、私大全体の収入は計1兆円の減少が予想されています。

 通知では、これまでの預金・債券中心の安全性を重視した運用から、株式などのリスク性資産を含めた投資を図る必要があるとしています。

(2026年9月15日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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