株主総会における株主提案の増加

 会社に出資して株式を受け取った人を株主と言います。法人も株主になれます。株主の権利は、一般的に自益権と共益権に分けて説明されます。自益権とは、配当を受ける権利や、会社を解散する際に残った財産の分配を受ける権利です。共益権は、会社の意思決定や監督に関与するための権利で、代表例が株式総会で議案に賛否を示す議決権です。

 株主は、保有する株式の量や期間など一定の要件を満たせば、株主総会の招集を請求したり、総会に議案を提出したりできます。他の株主の賛同もあれば、会社の社長をクビにすることも可能で、非常に強い権限があります。保有する株式の量が多い株主ほど強い権限を持ちます。

 株主総会において、アクティビスト(物言う株主)などの株主提案が増えてきています。アクティビストなどが日本企業や株式市場を活性化させたという評価もあります。お金の使い方の効率が悪い企業に改善を迫ったりするなど事業の見直しを促し、経営陣に緊張感をもたらしてきた面があります。その功績は評価されるべきですが、株主だけを優遇しすぎると、会社の研究開発、人材育成、取引先との関係など、中長期の企業価値を支える基盤を損なう恐れもあります。株主からの圧力などを気にして、上場を取りやめる企業が多いのも事実です。

(2026年9月28日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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