緊急避妊薬を扱う店舗数の地域格差

 市販の緊急避妊薬を扱う薬局の人口あたりの数に、都道府県間で最大5倍超の開きが生じています。厚生労働省は、処方箋なしの販売を2月に解禁しました。性交後72時間以内に薬剤師の面前で飲むことになっています。9月3日時点の取り扱い薬局は全国で1万6,633店で、都道府県別では東京が1,883店で最も多く、大阪が1,317店、神奈川が1,262店、愛知が924店と続いています。

 人口10万人あたりで比べると静岡が最多で22.1店、最少の熊本が4.1店で5.3倍の開きがありました。全国平均は14.0店で、熊本と埼玉は平均の半分にも満たない状況です。厚生労働省は、市販にあたって薬剤師の研修やプライバシーに配慮した販売体制の構築に加え、近隣の産婦人科医などとの連携を要件として求めています。取扱店が広がらない県は、この連携の部分がハードルになっています。

 緊急避妊薬は、性交渉後できるだけ早く服用することで高い効果を得られます。産婦人科が少ない地域や、夜間・休日に身近な薬局で入手できれば、女性自らリスクを低減できます。人工妊娠中絶は、年12万~13万件ほどの報告があります。そもそも妊娠を望んでいなかったケースもあるとみられています。緊急避妊薬が必要な人の手に届かない心身のデメリットは無視できません。

(2026年9月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です