ゆうちょ銀行の貯金残高の頭打ち

 ゆうちょ銀行で普通預金にあたる通常貯金の限度額1300万円を上回る利用者が100万人に達しています。超過分の9.7兆円は利子がつかず顧客の不利益となり、上限の撤廃を国に要望しています。今の仕組みとなった2019年から7年で3倍以上になっています。高齢化を背景に相続などでまとまった資金を手にする人が増えているとみられます。民間金融機関は経営の土台となる預金の獲得を競っており、民業圧迫として強く反発しています。

 2018年当時はマイナス金利政策の下、超低金利の環境で民間金融機関は運用難に直面していました。運用の原資となる預金を積極的に集める必要性はそこまで大きくありませんでした。最近は金利のある世界が復活し、預金の獲得競争が激しくなっており、ゆうちょ銀行に預金が流れれば死活問題になります。

 前回の限度額引き上げ直前の2019年3月末、ゆうちょ銀行の貯金残高は180.9兆円でした。2026年3月末は186.1兆円と、7年間で3%の微増にとどまっています。直近3年間に限れば減っています。この7年間顧客層がかぶる地方銀行の預金残高は24%増え、大手5行は39%も伸びています。

(2026年10月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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