政府は、AIを生かした脳科学技術(ブレーンテック)開発に本腰を入れています。人の心や感情を読み取れるAIの開発を進め、技術コンテストも開催しています。脳科学を生かした勉強の効率向上やモチベーション維持、心身の疲労低減、言葉を使わない意思伝達といった使い方を想定しています。懸賞金は1位に3500万円、総額は1億3千万円程度で、結果は2027年2月に発表されます。
総務省などが立ち上げた脳情報通信融合研究センターは、楽しい、うれしいといった気持ちを読み取り、人と同じように感じることができる人工脳の開発を目指しています。
自分が伝えたい情報も、相手には誤って伝わることがあります。脳や体に情報がどう届き、心でどう処理されるかをAIで再現できれば、誤解や炎上も減らすことができます。精神的プライバシーへの配慮や、自分の心や考え方を制御する認知的自由といった権利も大切になります。実用化が進めば多くの人にメリットがある一方、思考や人格を司る脳に関わる以上、特に慎重さが求められます。

(2026年7月7日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)





