CO2を回収する新技術の開発

 発生した温暖化ガスを回収したり固定したりする技術の開発が世界で加速しています。大気中のCO2を回収するダイレクト・エア・キャプチャー(DAC)と海水からCO2を回収するダイレクトオーシャンキャプチャー(DOC)の2種類があります。大気よりも海洋の方がCO2を多く含むことから、特に注目を集めるのがDOC技術です。

 DOCはイオン交換膜の働きによって海水を部分的に酸性化させ、発生したCO2を回収します。くみ上げた海水を電気透析する過程や海に戻す際のPHの調整に多くの電力を使用します。神戸学院大学の研究チームは、電気を使わず海水からCO2を直接回収する新たな技術を開発しています。

 大気中のCO2を吸収するDAC技術に用いる吸収材料のアミン化合物に着目しました。アミン化合物に疎水性のベンゼン環を導入し、低分子のアミン化合物を高分子化し、海水に溶けにくい固体状の高耐水性のポリマーにして、化学反応によって海水中のCO2を繰り返し回収できるようにします。

 回収したCO2は医薬品やエネルギーとして利用できます。いけすなどにカートリッジを設置できれば、海洋の酸性化の影響で成長が遅くなっているホタテなどの貝類の養殖産業に利用できる可能性もあります。海水中のCO2回収に必要な電力も不要となるため、消費電力や海洋の酸性化を抑えられます。

(2026年6月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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