理化学研究所などのチームは、人のiPS細胞から作製した心筋組織に圧力を加えると、細胞の成熟を促して収縮力が強まることを発表しています。
iPS細胞から作製した心筋は胎児の心筋に近く、収縮力が弱いという課題がありました。チームは、発生過程の心臓が自らの拍動に伴って常に圧力変化にさらされることに着目しています。iPS細胞由来の心筋や血管の細胞で作った心筋組織に、1日1時間、正常な血圧の約3倍の圧力を与える独自の加圧トレーニングを3日間行いました。
トレーニングの結果、細胞が大きくなって一定方向に整列し、規則的な構造に変化することを確認し、心拍数上昇に応じて収縮力が強まる成人の心臓に近い特徴も認められるようになっています。これを心筋梗塞を再現したラットに移植すると、4週間後には血液を送る機能が改善していました。5~10年後の臨床応用を目指しています。

(2026年7月28日 読売新聞)
(吉村 やすのり)





