がんの骨転移

 骨転移は、がん細胞が血流などに乗って骨に到達し、増殖することによって起こります。進行したがんで起き、その頻度はがんの種類で差があります。進行したがんが骨に転移する骨転移は、放置すれば骨折やまひにつながり、QOLにも大きく影響します。がんの治療をしながら生活や仕事をする人が増え、骨転移に対する治療の重要性が見直されています。骨転移は、CTMRI、骨シンチグラフィーと呼ばれる特殊な画像検査によって診断します。
 脊椎に転移して脊髄が圧迫されると、まひが起こります。悪化する前に手術や放射線で治療しないと歩けなくなることがあります。股関節の近くなど下肢に転移し、骨折が起きると歩行できなくなるので、骨折しそうな場合は薬や手術などで治療することが大切です。骨転移の治療に薬物療法も使用されています。骨がもろくなるのを抑える薬を使うことで、骨折などを減らす効果が確認されています。ここ10年、使用する薬剤が増え、広く使われるようになり、骨の痛みや骨折で悩む人が減ってきています。抗がん剤治療をしながら、仕事をフルタイムで続けることも可能になってきています。

(2016年12月21日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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