がんの5年生存率

 国立がん研究センターは、がんの治療の目安である5年生存率の全国推計値を公表しました。5年生存率とは、がんと診断されてから5年間生きている人の割合を指します。通常、がん以外の死亡の影響を除いた数値で表します。100%に近いほど治療で生命を救えるがん、0%に近いほど救うのが難しいがんを意味しています。2006年~2008年の診断症例をもとにした5年生存率は、62.1%であり、2003年~2005年のデータから算出した3年前の前回調査より3.5ポイント上昇しています。
 5年生存率は男性で59.1%、女性で66.0%でした。男性は前回調査より3.7ポイント、女性は同3.1ポイント向上しています。女性の方が生存率が高いのは、乳がんや子宮がんなど比較的治りやすいがんにかかる割合が多いためと考えられます。5年生存率が緩やかに向上した背景には、比較的予後がよい乳がんや前立腺がんが増えている面もありますが、治療法が改善され、検診で早期発見ができるようになったことによると思われます。

(2016年7月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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