がんサバイバー

 がんと診断された後、社会復帰するがんサバイバーと呼ばれる人が増えてきています。がんの生存率が高まり、中には起業する人も出てきています。生存率が高まっても、多くの人にとって企業は高いハードルです。がんと診断された後も、働き続けられる環境づくりの重要性は増してきています。厚生労働省は、治療と就業の両立支援のために企業向けの指針を出しています。相談窓口の用意や時間単位で取得できる有休などを盛り込んでいます。
 復職の支援に力を入れる企業も出てきています。ウシオ電機は、女性特有のがんを考慮し、社員が相談しやすいよう女性の医療スタッフを置くなどの工夫をしています。しかし、全体としてみると、まだまだ取り組みは不十分といわざるを得ない状況にあります。勤務先に病気治療のための休職制度があっても、復職後に元の仕事に戻れるのかなどの不安を抱える人が多いのが現実です。

(2016年10月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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