がん対策推進基本計画とは

 がん対策推進基本計画とは、がん対策基本法に基づき、がんによる死亡率減少などの目標や重点課題を示した国の計画です。各都道府県が定める計画の基本となっています。2007年に第1期計画が策定され、現在は国のがん対策推進協議会で、2017年度から6年間の第3期計画策定に向けた議論が進んでいます。この10年、高齢化の影響を考慮し年ごとに比較できるようにした75歳未満のがん年齢調整死亡率は16%減少しました。肝臓がんの原因となる肝炎患者が減り、乳がんなどで効果的な新治療法が普及したことなどが要因と考えられています。しかし、計画で全体目標に掲げた20%減少のラインには到達できていません。がん検診の受診率が伸びなかったことと、がん予防に重要な喫煙率の低下もここ数年下げ止まっていることが原因です。
 全国どこでも良質な診療が受けられる均てん化も進みました。専門医がそろった国指定のがん診療連携拠点病院は現在全国約400か所に広がっています。従来より副作用の少ない新しいタイプの治療薬や、体への負担の少ない放射線治療が行われるようになりました。そのため、再発がんや進行がんの患者でも、日常生活を送りながら治療を続けられるようになりました。こうした進歩を受け、現行の2期計画では、国などによる就労支援が盛り込まれています。

(2017年1月4日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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