冷え性

 冷え性には明確な診断基準がありません。冷えで辛い、困っている人の症状の総称です。熱を生み出す筋肉量が少ない女性特有の症状と思われがちですが、運動不足などを背景に男性や高齢者にもみられます。冷え性は大きく4タイプに分かれます。まず手足が冷える四肢末端型です。1020代の若い女性で、痩せ形や過度なダイエット中の人に多くみられます。食事量が足りず、体を温める熱を十分作り出せないため、血液の循環不全によって起こります。
 2つ目は腰より下の下半身が冷える下半身型です。30代から中高年にみられます。座りっぱなしの時間が長いとお尻などの筋肉が圧迫され血流が滞ってしまうことにより起こります。手足や体の表面は温かいのに、内臓が冷える内蔵型もあります。生まれつき寒くても血管が収縮しにくく体外へ熱が逃げやすい人や、過去に手術を経験して血流が悪くなった人などに起きやすいとされています。最後は体質や服用薬の影響などで全身が冷えてしまう全身型です。冷えているという自覚症状は乏しいが、慢性的なだるさをおぼえるなど身体機能は低下する隠れ冷えとも呼ばれます。代謝が落ちていて食欲がないケースが多くみられます。

(2017年1月5日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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