コロナ禍での高齢男性の孤立

新型コロナウイルスの感染拡大で、人とのつながりが失われる社会的孤立に陥った人の割合は、男性で高齢であるほど大きくなっています。調査では、別居の家族や親戚、友人らに対し、対面での交流、メールなどでのメッセージのやり取り、音声での通話、ビデオでの通話をどのくらいしたかを質問し、4種類の合計が週1回未満だった場合を、人との接触や交流が著しく少ない状態の社会的孤立にあたるとしています。
新型コロナ感染拡大前の2020年1月と、コロナ禍の同年8月の状況を尋ねたところ、社会的孤立者の割合は、全体で21.2%から27.9%と6.7ポイント増加していました。男性の方が社会的孤立者の割合が大きく、増加幅も男性が7.6ポイント増、女性が5.6ポイント増でした。年代別に見ると、男女とも全ての年代で増加していたものの、高齢になるほど増加幅が大きくなる傾向がみられました。増加幅が最も大きかったのは男性の70歳代で、10.5ポイント増でした。
高齢者が社会とのつながりを失うと、心身が衰えるフレイルにつながると言われています。コロナ禍でも社会的孤立に陥らないような対策が、フレイル予防の観点からも重要となっています。地域の様々な活動や集まりも、コロナ禍で自粛となってしまいました。孤立する人を少なくするという観点からも、高齢者世代には対面で交流する場が必要です。ワクチン接種が進み、感染対策も広まっていることから、今後は、可能な範囲で工夫しながら、活動を継続していくことが求められます。

(2021年11月3日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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