ドライマウスとは

ドライマウスとは、唾液が減り口の中が乾燥する状態を指します。口がネバついたり、口臭が気になったりするほか、食べ物が飲み込みにくい、活舌が悪くなるといった症状が出ます。舌や粘膜が刺激されて痛むときもあります。50代以降の女性に多く、更年期に女性ホルモンが減ると、体内の分泌腺の機能が低下し、唾液が減ることによって起こります。加齢などによる噛むための筋力低下も原因の一つです。唾液腺は筋肉の力を借りて唾液を分泌するため、口の周りの筋力が低下すると、唾液の分泌も減ってしまいます。
世代を問わず、ドライマウスの原因となるのがストレスです。唾液の分泌は自律神経の影響を受けており、リラックスすると分泌が促されますが、緊張すると交感神経が高まって分泌が減ってしまいます。ドライマウス患者の約1割がシェーグレン症候群です。自分の免疫反応が唾液腺、涙腺などを攻撃することで、症状の強いドライマウスやドライアイなどをもたらす病気です。
シェーグレン症候群でないと分かった場合、問診で糖尿病の有無や服薬状況、普段の食生活などを明らかにし、原因に応じて対処します。予防にはよく噛んで食べるなど唾液の分泌を増やす習慣が役に立ちます。唾液腺マッサージも試してみましょう。ドライマウスに悩む人はドライアイなど他の部位の乾燥を伴うことも多くなります。これからの季節は乾燥に気を付けて、保湿を心掛けることが大切です。

(2018年10月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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