一時滞在型労働移民の受け入れ

国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、OECD諸国への労働目的での移住は、永住型が2019年に67万人だったのに対し、一時滞在型は131万人と約2倍を占めています。2012年の1.6倍に増えています。背景には永住型への警戒感があります。2011年のシリア危機などで欧州各国に移民・難民が流入しました。一部の国民と軋轢が生じ、反移民を掲げる右派勢力が台頭してしまったことがあります。
結果として季節労働者やワーキングホリデーなどで、一時的な移民を受け入れる動きが強まっています。日本でも、単純労働者は受け入れない建前とは裏腹に、実習や留学を名目にした労働力確保が進んでいます。発展途上国も高齢化が進み、若い働き手は世界で取り合いになります。しかし、円安が加速する日本は、移民獲得の競争力を失いつつあります。国外の労働力をいかに引き付けるかが各国の課題となっています。

(2022年11月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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