介護費の増加

 今や65歳以上の人口が、総人口の4分の1を超えています。高齢化に伴い、介護保険の要介護・要支援認定を受けた人は、2014年度末で606万人に達しています。制度が始まった2000年度の約2.4倍に膨らんでいます。1人暮らしや夫婦のみの高齢世帯が増加し、介護サービスのニーズは今後も高まっていきます。75歳以上の1人当たり年間医療費は、74歳以下の約4.5倍となっています。高齢化などで、医療費は年間40兆円に膨張しています。現役世代だけではなく高齢者にも経済力に応じて負担を求める動きが進んでいます。
 65歳以上が払う介護保険料の月平均額は、制度開始時の2,911円から2015年度に5514円に上りました。介護サービスを利用する人の自己負担も、昨年から一定以上の所得の人は1割から2割になりました。医療の窓口負担も引き上げるべきだとの意見もあります。2025年には団塊の世代が全員75歳を超え、介護や医療の需要はさらに増します。そうした財源に充てる予定だった消費増税は、再び延期されました。現役世代が減少する中、増え続ける介護や医療の費用をどう負担するか、サービスの効率化をどう図るかが重要になります。

(2016年7月10日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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