低温やけど

 低温やけどは、比較的低い温度の暖房器具などに皮膚が長時間接触していると起こります。摂氏44度なら34時間、46度では30分から1時間、50度では23分間接触していると、発症する可能性があります。心地よい程度の高温でなくても、同じ場所を長時間温め続けると、皮膚に水ぶくれができたり、やけどの状態になります。湯たんぽのほか、電気あんか、使い捨てカイロ、電気毛布などが原因になっています。
 低温やけどは痛みなどを感じないまま熱が加わり続けるため、皮膚の深い部分まで損傷しやすくなります。やけどの重症度は損傷の深さに応じⅠ度~Ⅲ度に分類されますが、低温やけどはⅡ度、Ⅲ度が多くなります。痛みや水ぶくれが目立たないから、低温やけどを放置することで深刻化するケースもあります。やけどの跡は潰瘍となり、放っておいては治らないので、植皮などの外科的治療が必要になることがあります。
 暖房器具を体に直接当てたり、長時間あたったりしないことが大切です。湯たんぽなどは専用の袋に入れるか、タオルなどで包むべきです。暖房器具を高齢者や子どもが使う際、家族らが気を配ることも大切です。皮膚に違和感が出た場合は、早めに濡れタオルなどで冷やすことです。

(2017年2月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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