住宅の価格高騰と狭さ

不動産経済研究所によれば、2022年の首都圏の新築マンションの平均価格は6,288万円と、2年連続で過去最高を更新しています。上昇率は前年比0.4%増と微増ですが、専有面積の平均は66.1㎡と、10年前と比べて6%ほど狭くなっています。一般的には2LDKの広さです。間取りなども、複数持つ世帯を想定した物件が減っています。
国立社会保障・人口問題研究所の2021年の出生動向基本調査によれば、理想の数の子どもを持たない理由のうち、家が狭いからが若い世代で21.4%に上昇しています。2002~2015年の調査では18~19%台でした。第1子出生時点の住居が狭いほど、第2子出生数が抑制されます。郊外に出れば住宅費は下がりますが、都市部では配偶者の通勤時間が10分長くなると、第2子の出生数が4%抑制されるとされています。
問題の解決をするには、少子化対策と住宅政策の連携を深めることが必要となります。EUの中でも出生率が高い水準のフランスでは、所得などに応じた子育て世帯への住宅手当があります。日本国内には約849万戸の空き家があり、一部地域では改修して子育て世帯向けに貸す動きがあります。岸田文雄首相の次元の異なる少子化対策を効果あるものにするためには、空き家活用など住宅政策との連携が欠かせません。若者の賃金を上げ、住宅の充実をはかる取り組みは、結婚して子どもを持つ希望を叶える上で大変重要な要素です。

 

(2023年2月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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