住宅ペアローンの増加

ペアローンは、1軒の住宅を購入する際に、単独の住宅ローンではなく、夫婦それぞれがローンを組むことで借入額を増やす仕組みです。夫婦が互いに相手の連帯保証人になる場合が多くなっています。都心部などの住宅価格が高止まりする中で、単独では手が届きづらい物件を購入する目的で利用が増えています。
ペアローンは、特に若い世代で利用が広がっています。三井住友トラスト・資産のミライ研究所の調査によれば、20~29歳では22.2%がペアローンを利用しています。若い世代ほど利用率が高く、全世代の8.9%に比べると割合が突出しています。ペアローンで借りる金額は、20~29歳が3,333万円と、単独ローンに比べて38%多くなっています。ペアと単独を比べた増加率でも、20代が最も高い結果となっています。
借入金額を大きくする需要が高まっている一方、住宅ローン市場全体は伸び悩んでいます。住宅金融支援機構によれば、2000年代以降で、国内銀行の住宅ローン新規貸出額は大きく変化していません。ネット銀の台頭などで競争が激しくなる中、シェアを拡大するには需要に沿った住宅ローン商品を取りそろえる必要が出てきています。

(2024年3月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。