保育士の確保

 保育士は国家資格です。保育士として働くには大学や短大、専門学校などで養成課程を終えるか、保育士試験に合格する必要があります。大半の都道府県で保育士不足対策の一環として、年1回限りだった試験を今年度は2回実施します。ただ、これまで毎年4万人程度が養成学校を卒業していますが、実際に保育所で働くのは半数程度であり、資格を取っても就業にはつながらないといった課題がありました。
 大きな要因が責任の重い仕事の割に、産業界の平均と比べ月給が約10万円低いといった待遇の悪さです。東京都の調査によると、退職理由は妊娠・出産に次いで、給料が安いことが多くなっています。就職してもすぐに辞める人が多く、就業年数が3年以内の保育士が全体の約半数を占めています。全国の保育所で働く保育士は約45万人いますが、資格を持ちながら働いていない潜在保育士は約80万人という推計もあります。政府は待機児童の解消に向け保育士の給与を2%引き上げるように促す方針ですが、保育サービスの維持・拡大のため、これに先駆けて保育大手が大幅な増額に踏み切ります。

(2016年6月5日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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