保育所の整備の課題

 待機児童を解消するためには、保育所の増設が欠かせません。その担い手となる保育士不足が深刻になっています。認可保育所の整備を進める上での課題としては、保育士の確保が79%と最多でした。もともと、子どもの命を預かる重責に対して待遇が低く、保育士資格があるのに働いていない潜在保育士は70万人以上もいるとされています。さらに、保育所の開業ラッシュが保育士不足に拍車をかけています。
 都市部では用地・物件の確保も深刻です。さらに保育所新設の際の周辺住民の理解も必要となります。大都市圏を中心に、今後は団塊の世代の高齢化で医療・介護の費用が増大しています。自治体としては歳入の増加が見込めない中、認可保育所の整備を今後も継続できるのかといった懸念もあります。

(2016年12月5日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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