免疫不全サルの作製

 実験動物中央研究所と慶應義塾大学などは、免疫がほぼ働かないサルを誕生させることに成功しました。ゲノム編集と呼ぶ最新の遺伝子改変技術を活用しています。これまで免疫不全マウスは作製されており、種の異なる細胞や組織移植実験に広く使用されていました。マウスより人に近い霊長類で作製できたことで、生まれつき免疫の働きが不十分な病気の仕組みの解明や治療法開発などに役立つと期待されています。
  研究チームは、コモンマーモセットと呼ぶ小型サルの受精卵で、免疫にかかわる遺伝子を壊して働かないようにしたうえで、子宮に移植しました。250個の受精卵から9匹が誕生しています。サルの血液を調べると、免疫細胞である白血球が大幅に減少していることが明らかになりました。感染症などにかかりやすいヒトの先天性免疫不全症とよく似た病状も示しています。クリーンルームの中で、4匹が1年以上生きているそうです。

NHK NEWS WEBより
(吉村 やすのり)

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