公衆衛生学的に問題となる感染症

外国人旅行者や労働者が急増し、オリンピック・パラリンピックの開催を間近に控えるわが国では、感染症のリスクが高まっていると言われます。過去に、国際的なマスギャザリングに伴って発生した主な感染症事例は、胃腸炎(食中毒)のほか、麻疹、水痘、髄膜炎菌感染症、インフルエンザ、おたふく風邪などが知られています。このように、マスギャザリングで感染症の流行が起こりうるリスクとして、開催国で流行していない感染症が持ち込まれる可能性だけでなく、もともと開催国で多い感染症がさらに増加する可能性も挙げられます。
ヒトからヒトにうつる感染症である麻疹、風疹、水痘、おたふく風邪は、感染力が強い疾患ですが、ワクチンで予防できる疾患です。集団予防のためには、高いワクチン接種率を保つ必要があります。オリンピック・パラリンピック以降も、観光や労働目的で日本を訪れる外国人の数は増えることが予想され、人の移動に伴い感染症のリスクは高まっています。重要な予防策は、ワクチンで予防できる疾患は高い接種率を保持することと、感染経路に応じた予防策の徹底です。

(月刊 母子保健 2020年3月号)
(吉村 やすのり)

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