内用療法とは

 内用療法とは、放射性物質をがん周辺に送り込み、その放射線でがん細胞などをたたく治療法です。放射性物質にはがんに集まる工夫がしてあり、飲んだり注射したりすると患部で働きます。がんの種類によって使う放射性物質は異なり、多くは外来で治療できます。甲状腺がんの治療には使われることが多く、甲状腺を全て摘出する手術を受け、転移もあるといった条件の時に欠かせない治療法となっています。放射性物質のヨウ素をたくさん飲む治療を受ける場合には、入院が必要になります。
 専用設備での厳重な管理が負担となり、近年、不採算とみて取りやめる病院が出てきています。この治療は初期投資だけでなく、維持費もかかります。病室を退院後約1週間あけるのも負担になります。治療期間と合わせると、1つの病床で約2週間で1人しか受け入れられないことになります。甲状腺がんで内用療法の入院治療を必要とする患者の半数しか受け入れられていないという指摘もあります。医療機関にとって赤字部門となり、病床不足となっていることから、診療報酬を改善して病床を増やす体制作りが必要です。

 

(2017年5月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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