出生数初の100万人割れか

 厚生労働省の推計によれば、2016年生まれの子どもの数が、100万人の大台を1899年の統計開始以降で初めて割り込むことになりそうです。98万人~99万人程度になるとされています。2030代の人口減少に加え、子育てにかかる経済的な負担から第2子を産む夫婦が減っており、少子化に歯止めがかかっていません。社会保障制度を維持していくためにも、政府の人口減対策や子育て支援の充実が重要になってきます。わが国は人口の負のスパイラルに突入してしまいました。
 2005年に合計特殊出生率が1.26の最低を示して以来、改善傾向がみられていました。しかし、女性の人口は減っており、出生数を押し上げるまでに至っていません。2016年10月時点の人口推計では、同年代の女性は約1,366万人で、10年前に比べて2割減っています。晩婚化に伴い、第1子の出産年齢が上がると第2子以降の出産は減る傾向にあります。政府は子育て対策に力を入れる姿勢を示していますが、子どもがもっと欲しいのに経済的な理由で産めない家庭も少なくありません。安定した人口バランスでの経済成長のためにも、医療や介護など高齢者重視の社会保障の予算配分の見直しが必要です。

(2016年12月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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