医師の勤務時間

厚生労働省は、通常の勤務医の残業時間の上限を年960時間、一部の勤務医の上限を特例として年1,860時間にする方針です。労働時間は原則として1日8時間、週40時間までとされています。これに年1,860時間の残業をすると年約3,800時間になります。翌日昼まで勤める当直を週1回するとして、休日が年80日とすると、普段の日は平均で14時間弱働く計算になります。他の職種では、上限は年に最大960時間とされており、罰則の適用は大企業が今年4月、中小企業が2020年度から始まります。
厚生労働省の2016年度の調査では、病院勤務医の1割が年1,900時間以上残業しています。厚生労働省は、これを基に特例の医師の上限を定め、長時間の残業の解消を目指します。地域医療を守るために長時間労働にならざるを得なかったりする医師に限ります。残業をどれだけ認めるかは、医療機関ごとに判断されることになります。医師の過労死は繰り返し起きていて、今回の上限時間への批判も根強いものがあります。厚生労働省は特例になる医師の健康を守るため、次の勤務までに休息を確保させ、連続勤務を制限する方針です。

(2019年3月14日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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