医療ツーリズム

 医療ツーリズムとは、医療目的の外国人を日本に呼び込むことです。民主党政権時代に大々的に政策として打ち出しましたが、医療の産業化が前面に出たことで、日本医師会が反発し、医療ツーリズムという言葉はタブー視されるようになりました。今では人道的な意義を前面にした医療渡航支援などの言葉が使われています。
 医療を目的とする訪日外国人は急増しています。医療滞在ビザの発給件数は、2015年は約950件で、4年前の13倍にもなっています。ビザが無くても健診や治療は受けられるため、実際はもっと増えています。ほとんどが中国人で、富裕層が多いのですが、最近は中間層にも広がっています。外国人は基本的に自由診療となり、日本人より高い治療費を全額自己負担します。これが病院財政を潤し、結果的に日本の医療を支えると期待する病院も多くなっています。外国人が日本の病院や地域の救世主となる可能性もあります。

(2016年12月11日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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