一人暮らしの増加

 一人暮らしの人が増えています。昔は、祖父母と両親、子どもが一緒に暮らす3世代同居が多くみられました。しかし戦後になって、主に若い世代が地方から東京などの大都市に働きに出て家庭を持つようになり、核家族が増えました。また最近は結婚しない人が増えて、子どもの数が減っています。1世帯当たりの人数は少なくなる一方です。単身世帯は1965年には7.8%でしたが、2015年には34.5%まで増えています。これからは少子化で人口が減り、全体の世帯数も減っていきます。さらに少子化や核家族化で、単身世帯はますます増えていきます。
 家族が支え合う力が弱くなったことで、経済的に困窮する人も目立ちます。昨年度に生活保護を受けている約160万世帯のうちで、78%が単身でした。年を取ると、病気にかかりやすくなるので医療が必要になります。体が弱ければ、介護にもお金がかかりますが、収入は年金だけが頼りという人も少なくありません。万一、家で倒れたら誰にも気づかれない可能性もあります。一人暮らしで人との交流が希薄になると、体を動かさなくなって、心や体の衰えが進んでしまいます。若いうちは一人暮らしが楽だと考える人が多いのですが、家族の助け合いに頼れなくなった分、病気や介護、失業などで困ることが多くなります。

(2016年12月11日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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