医療制度改革関連法の改正

75歳以上の後期高齢者は、国内に約1,870万人もいます。今は大半の人が1割の窓口負担でした。今回の医療制度改革関連法の改正により、約2割にあたる約370万人は、負担が1割から2割に上がります。現役世代の負担軽減効果は限定的ですが、世代間の負担・給付の不均衡を解消し、持続可能な全世代型社会保障を目指す一歩となります。
単身世帯では、まず年金収入とパートなどによる所得の合計から各種控除分などを除いた課税所得が、28万円以上あるかを確認します。該当する場合、年収が200万円以上あれば、負担は2割に上がります。75歳以上の人が複数いる世帯は、まず最も課税所得の高い人が28万円以上かを確認します。これに該当し、世帯内の75歳以上の全員の年収の合計が320万円以上なら、2割負担となります。
現在も現役並みの所得(単身で383万円以上、複数人で520万円)の世帯は、現役世代と同じ3割を負担しています。後期高齢者の7%を占めています。負担増で最も影響を受けるとみられるのは、外来の受診者です。厚生労働省によると、75歳以上の高齢者のうち、5割弱が毎月外来の診療を受けています。厚生労働省が示した試算によれば、2割負担となった場合の1人あたり窓口負担額は、外来で年平均7万7,000円で、1割負担の時から3万円増えることになります。

(2021年6月5日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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