四年制私大の定員割れの増加

定員割れの四年制私大が増加し、全体の46.4%に当たる277校に達しています。前年度まで4年連続の減少でしたが、大幅増に転じています。私立大の定員全体に占める入学者の割合を示す定員充足率は、2.8ポイント減の99.8%で、1999年度の調査開始以来、初めて100%を下回りました。
全体の定員が約4千人増えた一方、18歳人口が約2万6千人減となり、総入学者数は約9,600人減少しました。①18歳人口の減少幅が大きくなる節目の年だった、②新型コロナウイルスの影響で留学生が減ったなどの複数の要因が重なって定員割れが相次いだとされています。今後も進む18歳人口の減少は、私立大の経営を直撃します。
規模別の充足率は、定員3千人以上が99.9%で前年度とあまり変わりませんが、300人以上400人未満で9.2ポイント減の95.2%となるなど、小規模校で大きく下落する傾向が出ています。地域別では、東京や大阪とその周辺、愛知を合わせた三大都市圏の充足率が100.6%だった一方、その他の地域は6.2ポイント減の97.3%と大きく落ち込んでいます。地方の少子化が進んでいることや、困窮世帯に対する文部科学省の修学支援制度が拡充されて、都会で下宿生活をしやすくなったことなどが背景に考えられています。

(2021年9月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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