地方公立大の増加

公立大は、1949年の新制大学発足以降30大学程度で推移していました。しかし、高齢化対策として看護師の確保を自治体の責務とする法律が1992年にでき、1990年代から増え始めました。現在も約半数に、看護・保健医療系の学部があります。さらにバブル後の景気回復を目指し、国が地方に経済対策として多くの予算を投下しました。就職環境の悪化で、進学する高校生が増えたこともあり、各地に公立大が設置されました。
この春、都道府県や市などが設置する公立大が、100校に達しました。少子化が進むなかでも、地方都市を中心に全国で設置が進み、この30年で約3倍に増えています。近年は定員割れが続く私立大を、地元自治体が公立化するケースが目立っています。
しかし、地方では都市部以上に少子化が深刻で、学費の安さだけでは学生を集め続けることはできません。運営費を支出する自治体の財政が厳しいケースも多く、学問分野によっては、企業や行政などから研究費や寄付といった外部資金を得ることも容易ではありません。

 

(2023年5月29日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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