夜尿症の診断ガイドライン

 子どもの夜尿症の診療ガイドラインが、12年ぶりに改定されました。夜尿症とは、小学校入学前後の56歳を過ぎても月に数回以上お漏らしをする場合を指し、病気として治療の対象となります。夜尿症は腎臓でできる尿の量が多すぎるか、尿を膀胱にためられないことが原因でおこります。夜間に起きられないためにお漏らしをしてしまいます。小中学生の推定患者数は、全国で約78万人にものぼります。このうち約12万人が医療機関に足を運び、約4万人が治療を受けています。治療の基本は、食事や睡眠など規則正しい生活をする、夜間の水分摂取は控える、寝る前には必ずトイレに行くといった行動療法です。
 新ガイドラインで勧める抗利尿ホルモン薬デスモプレシンは尿量が多いタイプに向いています。腎臓での水分の再吸収を促し、尿量を減らす作用があります。もう1つのアラーム装置は、膀胱の容量が少ないタイプに向いています。下着にセンサーをつけ、お漏らしの水分量を検知すると、枕元でブザーが鳴って患者を起こすことを繰り返します。投薬もアラームも成功率は約75%とされていますが、治療期間は長くなることも多く、個人差が見られます。

(2016年8月28日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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