大学運営費の減少

 国立大学運営費交付金の削減により、地方大学を中心に国立大学が悲鳴を上げています。国立大学に対する運営費交付金(主に人件費と研究費)は、2004年の法人化後、毎年約1%ずつ減額され続けています。10年間で約10%の削減で、運営費交付金の総額は12,400億円から11,100億円に減少しています。
 国立大学の研究・教育は、10年間に及ぶ運営費交付金削減により、相当傷んでしまい、回復不可能な水準に落ち込んでいます。こうした政策の誤りが国立大学の基礎体力をむしばみ、日本の科学論文数やトップレベルの研究論文数は長期低落傾向にあります。これは先進国では日本だけの現象で、中国には追い抜かれ、韓国に追い上げられています。日本は戦後、科学技術立国で発展してきました。今こそ政策を大転換し、国立大学をはじめ高等教育機関の研究・教育に資源を注ぐ時であると思われます。

(2017年4月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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