奨学金制度の充実

 大学生の生活事情は大変厳しくなっています。日本学生支援機構の2014年度調査によれば、学部や修士の学生の約2割が経済的に勉強を続けることが難しいとしています。2006年度に年150万円だった仕送りなどの家庭からの給付は、2014年度に119万円まで減りました。アルバイトでは生活費を賄えず、奨学金の活用が進んでいます。2014年度に奨学金を受給した大学生の割合は51.3%と半数を超えています。
 日本の公的な奨学金は卒業後に返済が必要な貸与型のみで、滞納者の増加が問題になっています。将来の返済負担を懸念して、利用に慎重になる学生も少なくありません。そこで返済が不要な給付型奨学金制度を新設・拡充する大学が相次いでいます。各大学は国に先んじて施策を打ち出し、経済的事情で進学をためらう学生を呼び込もうとしています。国も公的な給付型奨学金の創設に向け動き出しています。

(2016年7月13日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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