子どもの貧因率

 日本の子どもの貧因率は、16.3%と諸外国と比べ突出して高くなっています。2000年よりも、1.8ポイント上昇しています。貧因率は、世帯全体の手取り収入である可処分所得が、全体の中央値の半分に満たない場合を相対的貧因と定義します。2012年は122万円未満であり、これが貧因かどうかのラインとなっています。統計上わが国は、子どもの6人に1人は貧因状態という割合になります。経済協力開発機構(OECD)加盟国平均を大きく上回っています。ドイツや英国など先進諸国と比較しても、最悪のレベルです。
 親の収入が少なく、日々の暮らしにも困る家庭の子どもたちに対し、進学や就職の道筋をつけ、自立を支援する場が注目されています。こういった場が求められる背景には、ひとり親世帯に加え、子どもの親世代に非正規雇用など不安定な雇用環境で働く人が増え、収入格差が広がっていることがあげられます。親が生計を立てるのに必死で、子どもの学習や食事や着る物に目を配る余裕がない家庭も多くなっています。

(2016年7月12日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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