女性のひきこもり支援の遅れ

15~64歳でひきこもり状態の人は、全国で146万人と推計されています。中高年では半数超が女性です。女性の割合は15~39歳で45.1%を占め、40~64歳では52.3%と男女比が逆転しています。ひきこもりは男性が多いというイメージを修正しなければなりません。
原因やきっかけは、心身の不調や家族関係、不登校、就職活動など様々です。専業主婦や育児中の母親もいますが、家族以外の人間関係や社会とのつながりがなく、働けない自分を強く否定している人が多くなっています。ひきこもりの女性の中には、いじめられた経験などから男性に対して恐怖心を持つ人が少なくありません。性被害や、配偶者からの暴力の被害経験があるケースもあります。
従来の相談窓口や、ひきこもりの人が交流できる居場所には男性の利用者が多く、女性にとっては利用しづらい面もありました。今後は、女性だけが安心して集まれる居場所作りや、女性の心情に配慮した相談対応などの環境整備が急務です。

(2023年5月20日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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