子どもの体力低下

昨年の全国テストの結果によれば、50m走やボール投げなど8種目の実技テスト(80点満点)の平均値は、小中の男女ともに2008年度の調査開始以来最低を更新しています。種目別では、小学生の男女で50m走と20mシャトルラン、中学生の持久走(男子1,500m、女子1,000m)などでいずれも過去最低でした。特に持久走の落ち込みは大きくなっています。
スポーツ庁は、子どもの体力低下の要因について、新型コロナウイルスの流行によって屋外での活動が制限されたうえ、マスクの着用が常態化して激しい運動を控える子どもが増加したことなどが影響したとしています。1日平均1時間以上運動している子どもの割合は、小学男子と中学男子で過去2番目に少なくなっています。
コロナ下での生活のリズムの乱れも、子どもの体力低下に影響を与えています。生活習慣調査では、スマートフォンやテレビ、ゲーム機などの視聴時間が増え、睡眠時間も減少傾向にあることかが分かっています。小学生の男女と中学男子では、肥満の割合が過去最高を更新しています。運動習慣の確保や体力向上を実現するために、学校だけではなく、家庭、地域で運動機会を確保することが必要です。

(2023年1月23日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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