子どもの心臓移植

 国内で子どもの心臓移植がなかなか実現しない中で、募金で海外での移植を目指す親たちがいます。移植にかかる費用は、医療機器の高度化により高くなっており、2016年度以降の1人あたりの募金の目標額は平均3億円近くに達しています。この5年で倍増しています。費用高騰の背景には、2015年に小児補助人工心臓が国内で認可されたことがあります。認可前は大人用しかなく、重い心臓病の子どもの多くが、移植が実現する前に亡くなっていました。補助人工心臓の装着により、多くの子どもが海外渡航に耐えられるようになり、助かるチャンスは広がっています。
 国内で移植できれば自己負担は数十万~数百万で済みます。法改正後に国内で心臓移植を受けられた子どもは計23人で、海外移植の35人より少ない状態です。毎年約50人が新たに移植が必要な病状になっており、多くの子どもは移植を待ちながら亡くなってしまいます。心臓移植を待つ15歳未満の子どもは2017年10月末時点で38人にも達しています。

(2017年11月24日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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