子ども貧因率と教育格差

 厚生労働省の国民生活基礎調査によれば、2012年の子どもの貧因率は16.3%と、2009年に比べて0.6ポイント上昇しました。子どもの6人に1人が貧因状態におかれています。貧因を理由に高校や大学への進学を断念するケースもあります。進学率の低下により安定的な職業を得られないことにつながりかねず、貧因の連鎖を断ち切ることが社会的な課題になっています。
 中高生向けの公設無料塾が、全国で開講するようになってきています。放課後や土曜日、地元の大学生や定年退職した元教師らが講師を務め、学習が遅れがちな生徒らの指導にあたっています。文部科学省は原則無料のこうした教室を「地域未来塾」と位置づけ、2015年度から市区町村の開講を支援しています。経済的事情で民間の塾へ行けない生徒や塾が少ない過疎地域に住む子どもに勉強する場面を提供し、学習の進度の差を埋める狙いがあります。

(2016年7月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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