子宮移植を考える―Ⅵ

法的課題―②
 行われた治療行為が、以下の3つの要件を具備する場合に、優越的利益を守ったとして違法阻却が認められると考えられています。それは①その行為が患者の生命・健康を維持するために必要であること(医学的適応性)、②その行為が現在の医術の基準に合致してなされること、すなわち現在の医学で一般に認められている方法でなされること(医学的正当性)および③その行為が患者の選択に反しないという意味での患者の同意が存在することです。この3つの要件が具備された治療行為であれば、それが生命に対する危険を伴う重大な傷害である場合にも、違法性阻却が認められます。このように治療行為として違法性阻却が認められるためには、それが患者の自己決定に反していないことが前提となります。

 

(吉村 やすのり)

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