子育ての孤立化

ベネッセ教育総合研究所の調査によれば、躾や教育の情報を誰から得ているかの質問に対して、2015年の前回調査と比べ、身近な人の割合が急減しています。母親の友人・知人が72%から36%に半減、母方の祖父母が43%から27%に減っています。未就園児の母親は、家族や親戚、友人・知人、専門家や行政などいずれの選択肢にもあてはまるものはないという回答が最多で、33%でした。一方、保育園児の母親は、園の先生が最多で54%にのぼっています。
前回調査に比べ、子育てへの否定的な感情を持つ人の割合が増え、肯定的な感情の割合が減っています。子どもが煩わしくてイライラしてしまうことがあるが、よくある、時々あると回答した人は71%、子どもを育てるために我慢ばかりしていると思うは61%に増加しています。一方に子育てで自分も成長していると感じるは68%(前回76%)、自分の子どもは結構うまく育っていると思うは69%(前回75%)とやや減っています。
調査時期はコロナによる登園自粛が続いていた頃で、その不安から、いらだちが子どもに向かった可能性があります。しかし、幼い子を育てる母親が以前より孤立し、育児に負担を感じている現状が、コロナ禍によって見える化してきたとも言えます。

(2023年1月21日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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