家族性高コレステロール血症

 家族性高コレステロール血症は、生まれつきLDLが肝臓で十分に分解されないため、動脈硬化が進み、男性は2030代から心筋梗塞や狭心症の危険性が高まります。診断基準は、①LDL値が180以上②手足などに黄色腫か皮膚結節性黄色腫がある③2親等以内に、家族性高コレステロール血症、男性なら55歳未満、女性なら65歳未満で心筋梗塞などを起こした人がいるの2つ以上が当てはまる場合です。
 家族性高コレステロール血症は年齢を重ねるほどリスクが高くなるため、早期の診断と治療が重要となります。患者や医師の認知度が低く、LDL値が薬で一定程度下がることなどから、見過ごされることが多いとされています。国内の患者は数十万人とみられますが、実際に診断されているのは1%以下と推計されています。日本動脈硬化学会は診療方針で、この病気の患者については、LDL値の目標値を健康な人よりも厳しい100未満にするよう求めています。

(2016年6月22日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。