小中学生の不登校の増加

文部科学省の2022年度調査によれば、全国の小中学校で不登校の児童生徒は29万人を超えています。10年連続増え、過去最多となっています。その4割近くは学校内外で専門家らの相談や支援を受けておらず、ケアの多くを親が引き受けている例は少なくありません。その負担はとりわけ母親に偏りがちです。
不登校の小中学生をもつ親をどう支えていくかが課題になっています。子が不登校になると、精神的に追い詰められるうえ、仕事を辞めるなどして経済的に苦しくなるケースが多くなります。こうした悩みに寄り添おうと、不登校専門外来の開設や保護者向けのSNSを使った相談といった動きも出てきています。
NPO法人登校拒否・不登校を考える全国ネットワークは、子が不登校の親を対象にしたアンケート調査結果を公表しています。教育委員会や役所、児童相談所に相談しても助けにならなかったと答える人がそれぞれ7割もみられ、相談相手に共感してもらえないと感じる人が多くなっています。親の働き方への影響も大きく、子が不登校になって、早退・遅刻が増えた、休みがちになった、退職した、休職・転職したとの声が聞かれます。収入が減った人は3割を超しています。

(2024年2月15日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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