年齢と妊孕性シリーズⅢ

妊娠合併症
 甲状腺の病気、自己免疫疾患、糖尿病、高血圧など、多くの病気により、妊娠しにくくなり、妊娠中の合併症も増加します。そのため、妊娠する前にそれぞれの病気の治療を優先させることが重要になります。図は、年齢別に見た妊娠高血圧症候群の発症頻度を示します。30代後半より上昇し始め、40歳を超えると急激に増加します。
 これ以外に特に気を付けなければならないのが、がんです。20代後半から30代の生殖年齢に一番多いがんは乳がん、次いで子宮がんです。乳がんはこの時期自己検診を行い、何か異変に気付いたら、迷わず乳腺専門外来を受診することが大切です。また、血縁の方に乳がんの既往がある方は、定期的に乳腺専門外来を受診すべきです。
 一方、子宮頸がんの大半は、ワクチンで予防できるがんですので、予防ワクチンを接種しておくことは、体の健康を維持するのに重要であるばかりでなく、妊娠する際にもより安全に妊娠できることになります。


「高齢妊娠・出産とどう向き合うか」
(吉村 泰典著 ぱーそん書房

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