幼保無償化に対する批判

幼保無償化が始まって1カ月余りが経過し、保護者から疑問の声が上がってきています。利用料の相次ぐ値上げが問題になっています。無償化で、幼稚園に通う子は、月2万5,700円まで利用料が無料になりました。支払う金額は減少していますが、幼稚園や認可外保育施設では、授業料や保育料が実質値上げしているところが多くなっています。元々経営が厳しいために、値上げはやむを得ない状況ではあるかもしれませんが、便乗値上げとみられても仕方ありません。



国は、質の向上を伴わない保育料の引き上げを認めていません。文部科学省は私立幼稚園について、引き上げの実態や理由を調査しています。厚生労働省は認可外保育園に対し、値上げの際は保護者に理由を説明するよう義務付けています。そもそも、質の向上を客観的にチェックする機能がないまま、無償化を始めてしまったことが問題との指摘もあります。公費を投じている以上、国は第三者評価機関を設け、値上げした園の運営状況を公表するなど、質の向上が確実になされる仕組みをつくる責任があります。

(2019年11月6日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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