心筋梗塞の死亡率の県内格差

 日本経済新聞の調査によれば、急性心筋梗塞で亡くなる人の割合を人口1万人以上の市区町村で比較したところ、県内の格差が5倍を超えているのは、男性で7道府県、女性で10道府県に上ることが判りました。格差が最も大きかったのは男女ともに岐阜県で、男性が8.04倍、女性が10.89倍に達しています。県内格差は予防対策や治療体制の違いが影響している可能性があり、原因分析が求められます。
 心疾患は日本人の死因ではがんに次いで多くなっています。特に心臓を動かす筋肉に酸素などを送る冠動脈が血栓で詰まる急性心筋梗塞は突然死につながります。男女とも格差が大きかった岐阜県では、八百津町で男性が380.3と全国平均(100)の約3.8倍に達しています。一方、最も低い神戸町は47.3で全国平均の半分以下で、県内格差は8.04倍と全国で最も大きくなっています。女性も同じく八百津町が390.0で最も高く、最も低い池田町(35.8)と比べると10.89倍の差がありました。急性心筋梗塞は食事や運動などの生活習慣を見直す予防対策でリスクを下げられます。発症しても迅速に詰まった血栓を除去できる治療体制が整っていれば、救命できる可能性が高まります。

(2017年8月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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