抗がん剤の国内市場規模

 副作用が少ないけれども高価な分子標的薬などが次々に開発され、抗がん剤の国内市場規模は拡大しています。患者の救命や生活の質の改善が進む一方で、医療財政を圧迫しています。日本の抗がん剤市場は、2023年に15,438億円と、2014年の8,523億円に比べて8割も増加しています。分子標的薬など高価な薬の普及が大きな要因となっています。抗がん剤に占める分子標的薬の割合は2014年の49%から2023年に68%に高まっています。
 疾患分野別では、肺がんが2023年には3,338億円と3.5倍に増えています。オプジーボなど画期的と考えられていますが、高価な免疫チェックポイント阻害剤の普及が背景にあります。2014年時点で市場規模が1,000億円を超えるのは、上位から大腸がん、乳がん、前立腺がんの3種類でしたが、2023年には首位の肺がんをはじめとして胃がんや白血病など7種類が1,000億円を超える見通しです。

(2016年10月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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